武力不行使原則の射程 人道目的の武力行使の観点から

• 序章
  • 第1節 問題の所在
  • 第2節 先行研究の状況
  • 第3節 構成
  • 第4節 定義および議論の射程
• 第1章 武力不行使原則の妥当基盤の変容 ――人道目的との関係において
  • 第1節 人道目的の武力行使をめぐる国際関係の変化
    • 第1項 主権概念の変容 ――文明の基準から消極的主権へ
    • 第2項 人権・人道法の発展 ――消極的主権の主張から積極的主権の要請へ
    • 第3項 小括
  • 第2節 人道目的の武力行使に対する評価の変遷
    • 第1項 冷戦期以前
    • 第2項 冷戦終結後(1) ――安保理決議による授権の事例
    • 第3項 冷戦終結後(2) ――国連の外でおこなわれた事例
  • 第3節 各機関、国家の主張 ――コソボ紛争の場合
    • 第1項 NATOの側からの正当化
    • 第2項 国連機関その他の反応
    • 第3項 分析
    • 第4項 小括
  • 第4節 まとめ
• 第2章 国連集団安全保障制度の現状と武力不行使原則の解釈
  • 第1節 集団安全保障制度の制度枠組みとその発展
    • 第1項 集団安全保障制度の理念型
    • 第2項 国際連盟前
    • 第3項 国際連盟期における集団安全保障
  • 第2節 国連憲章上の集団安全保障制度
    • 第1項 国連憲章文言上の集団安全保障制度およびその起草過程
    • 第2項 国連憲章上の集団安全保障制度の特徴
    • 第3項 実際の集団安全保障制度
    • 第4項 小括
  • 第3節 武力不行使原則(憲章2条4項)の解釈
    • 第1項 包括性
    • 第2項 絶対性
    • 第3項 不変性
    • 第4項 小括
  • 第4節 まとめ 同原則の射程と現代的妥当基盤
• 第3章 人道目的の武力行使の合法性判断に関する学説状況
  • 第1節 国連憲章を根拠とした評価
    • 第1項 2条4項に依拠した評価
    • 第2項 第7章の授権(の有無)に依拠した評価
    • 第3項 51条に依拠した評価
  • 第2節 一般国際法に依拠した評価
    • 第1項 国際慣習法上の権利としての人道目的の武力行使
    • 第2項 違法性阻却事由
    • 第3項 対抗力および一般国際法への回帰
  • 第3節 まとめ
• 第4章 正当性の検討
  • 第1節 正当性とは
  • 第2節 正当化主張の根拠
    • 第1項 正当性を否定する立場
    • 第2項 違法であるが例外的に認められる武力行使
    • 第3項 集団的措置の個別的執行としての正当化
    • 第4項 対抗力および一般国際法への回帰
    • 第5項 人道目的の武力行使の新たな国際慣習法の形成
  • 第3節 正当性の評価と武力不行使原則へのインプリケーション
    • 第1項 正当性概念の分析
    • 第2項 正当性の評価
    • 第3項 武力不行使原則へのインプリケーション
  • 第4節 まとめ
• 第5章 2005年国連総会首脳会合(世界サミット)における「保護する責任」概念の意義
  • 第1節 「保護する責任」概念の提唱
    • 第1項 ICISS報告書
    • 第2項 ICISS報告書の特徴と問題点
  • 第2節 2005年国連総会首脳会合(世界サミット)における「保護する責任」
    • 第1項 世界サミットにおける国連改革の機運
    • 第2項 世界サミット成果文書のなかの「保護する責任」の特徴
  • 第3節 成果文書の「保護する責任」に関する各国の主張
  • 第4節 まとめ 成果と課題
• 第6章 2005年世界サミット以降の動き
  • 第1節 事務総長報告書
    • 第1項 2009年報告書『保護する責任の実施』
    • 第2項 2010年報告書『早期警鐘, 評価と保護する責任』
    • 第3項 2011年報告書『保護する責任の実施における地域的取組みの役割』
    • 第4項 評価
  • 第2節 最近の事例
    • 第1項 ダルフール紛争
    • 第2項 リビア
  • 第3節 『保護する間の責任(RWP)』の提案
  • 第4節 安保理の作業方法に関するS5提案
  • 第5節 まとめ
• 第7章 結語
• • 謝辞
  • 主要参考文献
  • 索引
  • 著者紹介

掛江朋子

• 2010年
  • 横浜国立大学国際社会科学研究科博士課程修了(博士(学術))
• 2010年–2012年
  • 国際連合日本政府代表部専門調査員
• 2012年
  • 横浜国立大学国際社会科学研究科研究員
  • 尚美学園大学非常勤講師

• あ行
  • アイユーブ 216
  • アパルトヘイト政策 106
  • アフリカ連合 (AU) 憲章 30
  • アルバレス 216
  • アレンド=ベック 155
  • 安保理改革 217, 254
  • 安保理決議688 45
  • 安保理決議794 39
  • 安保理決議1246 43
  • 安保理決議1769 248
  • 安保理決議1973 250 252
  • 違法性阻却事由 156 161
  • イラク北部への英・米・仏による介入
  • 45 46
  • INTERFET 43
  • インドによる東パキスタン介入 35
  • ウェッジウッド 155
  • UNAMET 43
  • AU憲章 63, 226
  • エギウス 161
  • ECOMOG によるシエラレオネ介入 48 49
  • ECOMOG によるリベリア介入 46 48, 148
  • ECOWAS監視グループ (ECOMOG )
  • 46, 48
  • S 5 決議案 254
  • 欧州人権条約 30
  • 奥脇直也 186
• か行
  • 核心解釈的アプローチ 120
  • カッセーゼ 154
  • ガブチコボ・ナジマロシュ事件 158
  • 間接的侵略 101
  • 機能麻痺 189
  • キャップストーン・ドクトリン 105
  • 旧ユーゴスラビア国際裁判所 (ICTY ) 32
  • 脅威、 挑戦及び変化に関するハイレベル委員会 217
  • 拒否権 97 99, 242, 254
  • 拒否的アプローチ 121
  • 許容的解釈説 112
  • 緊急事態 157 161
  • グリーンウッド 153
  • クロフォード 157
  • 経済的武器に関する決議 89
  • 形式的正当性 193
  • ケネディ 98
  • 公海自由の原理 198
  • 構造的予防 245
  • 国際安全保障の提供者 99
  • 国際刑事裁判所 (ICC ) 32
  • 国際法委員会 (ILC ) 156
  • 国際連盟規約16条 87 90
  • 国内問題への介入の不容認と独立と主権の保護に関する宣言 37
  • 国連シエラレオネ監視団 (UNOMSIL ) 49
  • 国連特定経費事件勧告的意見 103
  • 国連リベリア監視団 (UNOMIL ) 47
  • 国連ルワンダ支援団 (UNAMIR ) 41
  • コスケニエミ 146, 177
  • 国家責任条文 156
  • 小寺彰 197
  • 個別的自衛権 85
  • コルフ海峡事件 58, 114, 117
  • ゴング 24
• さ行
  • 作戦的予防 245
  • 佐藤哲夫 98
  • サンフランシスコ会議 93, 98
  • ジェノサイド 33, 41, 219
  • 事後の承認 148
  • 事情変更原則 118
  • 実質的正当性 179, 193
  • ジャクソン 23, 149
  • 19世紀の人道的干渉 16
  • 集団的自衛権 95 97
  • 集団的措置の個別的執行 184
  • 主権と介入に関する独立国際委員会 (ICISS) 212
  • 主権免除 33
  • ジュネーブ法 31
  • 消極的主権 25, 27
  • 少数民族保護条約 28
  • ジョンストン 159
  • 人道危機 14
  • 人道的介入 14
  • 人道的干渉 14
  • 人道に対する罪 33, 219
  • 人道法 31
  • 人道目的の武力行使 13
  • ジンマ 8, 145, 192
  • 人類の共同遺産 198
  • ストロムゼス 154, 190
  • 制限的解釈説 112
  • 正当性 15, 177
  • 正当防衛 151
  • 世界人権宣言 29
  • 責任としての主権 215
  • 積極的主権 25, 27
  • 絶対性 115 118
  • 戦争犯罪 219
  • 『早期警鐘、 評価と保護する責任』 242
  • ソマリア 39 40
• た行
  • 対抗力 185
  • 第二次国連ソマリア活動 (UNOSOM Ⅱ) 40
  • 田岡良一 116
  • 高野雄一 95
  • 多国籍軍 105
  • タジッチ事件 106
  • 脱植民地化 26
  • ダマト 94
  • ダルフール国連AU合同ミッション (UNAMID) 248
  • ダルフール紛争 246
  • タンザニアによるウガンダ介入 36
  • ダンバートン・オークス提案 93
  • チャンドラー 216
  • 筒井若水 97
  • テソン 116, 143
  • 手続の正当性 179, 191
  • 統治能力 26
  • DUPI 181 182
• な行
  • NATOによるコソボ紛争介入 49 50
  • NATOによる介入に対する非難決議 58
  • ニカラグァ事件 58, 152, 117
  • 西アフリカ諸国経済共同体 (ECOWAS) 46
• は行
  • ハーグ法 31
  • バウェット 109, 152
  • 破綻国家 23
  • バンギ休戦協定汎アフリカ監視軍 (MISAB ) 47
  • 東ザイール 43
  • 東ティモール 42 43
  • 非包括的 110
  • フィネモア 22
  • 不可欠の利益 159
  • 藤田久一 109
  • 不戦条約 90 91
  • 不変性 119 123
  • ブラウンリー 181
  • フランク 101, 121 122, 134, 182
  • 武力攻撃 109
  • 武力行使の合法性事件 58, 159
  • 文明の基準 24, 27
  • 平和愛好国 25
  • 平和維持活動 (PKO ) 103 105
  • 平和に対する脅威 40, 43, 106
  • 「平和のための結集」 決議 102
  • ベトナムによるカンボジア介入 37
  • 包括性 109 115
  • 法内容の正当性 191
  • 法の欠缺 189
  • 法の欠缺 197
  • 法の変更プロセス 192 193
  • 法律家アプローチ 119
  • 保護する間の責任 (RwP ) 252
  • 『保護する責任の実施』 240
  • 『保護する責任の実施における地域的取組みの役割』 244
• ま行
  • 松井芳郎 149, 191
  • マイナー自衛権 112
  • MISAB による中央アフリカ共和国介入 47 48
  • 民族浄化 219
  • 村瀬信也 161, 187
  • 黙示的権限説 148
  • 黙示的授権説 147
• や行
  • 山本草二 185
  • 友好関係原則宣言 38
  • 有責性 183
• ら行
  • リビア 249
  • ルワンダ 41 42
  • ルワンダ国際裁判所 (ICTR ) 32
  • 冷戦 26