本研究は2014年3月に広島市立大学大学院国際学研究科に提出した博士論文であり, 社会人学生として博士後期課程に3年半在籍しながらようやく完成させたものである. 率直にいえば, 博士論文に取り組むだけの素養や時間が不足していた筆者にとって, 広島市立大学の先生方からの懇切丁寧な指導あるいは助言や多くの方々の協力なくしてこの博士論文を完成させることは不可能であった. そこで甚だ簡単であるが, この場を借りてお世話になった方々に対しあらためて厚くお礼を申し上げたい.
まず, 主指導教員としてご指導下さった池田慎太郎先生(関西大学), 吉田晴彦先生(広島市立大学), 副指導教員としてご指導下さった大庭千恵子先生(広島市立大学), 金栄鎬先生(広島市立大学)に対し感謝申し上げたい. 博士後期課程の前半期において主指導教員を担当して下さった池田先生からは博士論文に取り組むための基礎的な知識についてご指導を賜った. 途中で池田先生が関西大学に移られたため, 当初, 副指導教員であった吉田先生が後半期の主指導教員として博士論文を最終的に完成させる上で不可欠な論理的思考などについて丁寧にご指導下さった. さらに, 副指導教員を担当して下さった大庭先生と金先生からは博士論文としての完成度を高めていく上で貴重なご助言を賜った.
また, 放送大学大学院文化科学研究科に在籍し修士論文に取り組んだ経験が博士論文に取り組むなかで重要な役割を果たした. そうした意味で, 修士論文の指導担当として研究に取り組むための初歩的な基礎をご指導下さった柴宜弘先生(東京大学)や指導責任者としてゼミの報告などを通じて研究の方向性を示して下さった草光俊雄先生(放送大学)に対し感謝申し上げたい.
筆者が本研究の課題に取り組むことになった背景には, 1997年9月に島根県が中心となって実施した「NEAR交流の船」事業に筆者自身が一自治体職員として参加した経験がある. その事業において鳥取県境港市で開催された「山陰・夢みなと博覧会」の見学が含まれており, 筆者は島根県や鳥取県における北東アジア地域との多国間の地方間国際交流を実体験することで対岸諸国との交流に対する両県の期待を肌で感じることができた.
しかしながら, 現状では当時のような熱気が失われているといわざるをえない状況にある. 一方, 現在でも, 両県において北東アジア地域との地方間国際交流に対する地道な努力が続けられており, 地域の活性化を図るために国際政策を推進することの重要性に対する認識は失われていない.
現在の日本は, 外交面で中国や韓国との間において難しい課題を抱えながら, 内政面でも国や地方自治体が財政難に陥り閉塞感が漂っている. そうした厳しい状況のなかで地方自治体の国際政策は, 地域の活性化を図る上で重要な取り組みとなる可能性を秘めており, 本研究がこの分野における研究の発展に寄与し, これからの地方自治体の国際政策の発展に少しでも貢献することができれば幸いである. そうした意味でも, この研究の成果を国際政治あるいは地方自治の研究者や自治体関係者の方々に対して, 出版という形を通じて伝える機会を与えて下さった国際書院の石井彰社長のご支援に対し厚く感謝申し上げたい.
最後に, 博士論文に取り組むにあたって, アンケート調査やインタビュー調査に対し快く応対して下さった関係者の方々や文献調査においてご協力いただいた図書館の方々に対し感謝申し上げるとともに, 社会人学生として仕事と研究を両立させるために協力してくれた妻子や父母らに対し感謝の気持ちを示したい.
2014年4月
永井義人
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