国連研究 21 国連と大国政治

日本国際連合学会 編
書影『国連と大国政治』

『国連研究』第21号は「国連と大国政治」を特集テーマに据えた。国連創設75周年の節目にあたる本年に、国連と大国政治との関係ついて改めて問う論考が揃った。(2020.6.13)

定価 (本体3,200円 + 税)

ISBN978-4-87791-304-5 C3032 245頁

目次

  • I 特別寄稿 緒方貞子さんと横田洋三さんのお二人を偲んで渡邉昭夫
  • II 特集テーマ「国連と大国政治」
    • 1 国連と大国: 「自国第一主義」と「グローバル・ガバナンス」の時代に山田哲也
    • 2 核軍縮と国連 黒澤満
    • 3 パレスチナ紛争に関するアメリカの拒否権行使に対する批判的検討: 国際連合における拒否権の本質的制約の視点から瀬岡直
  • III 研究ノート
    • 4 北朝鮮核問題から見た中国の対安保理政策: 「法的拘束力」と安全保障の観点による分析趙一中
    • 5 国連のヘイトスピーチへの取り組みにおけるラバト行動計画と国連戦略・行動計画の意義萩原優理奈
  • IV 政策レビュー
    • 6 「すべての人に健康を」の国際的潮流におけるUHCの推進: 健康への権利、PHC、SDGsを背景として勝間靖
  • V 書評
    • 7 松隈潤著『地球共同体の国際法』植木俊哉
    • 8 小山田英治著『開発と汚職:開発途上国の汚職・腐敗との闘いにおける新たな挑戦』真嶋麻子
    • 9 藤重博美、上杉勇司、古澤嘉朗編『ハイブリッドな国家建設:自由主義と現地重視の狭間で』長谷川祐弘
    • 10 丹羽敏之著『生まれ変わっても国連:国連36年の真実』村田俊一
  • VI 日本国際連合学会から
    • 1 国連システム学術評議会(ACUNS)2019年度年次研究大会に参加して猪口絢子
    • 2 第19回東アジア国連システム・セミナー報告久木田純/藤井広重
    • 3 規約及び役員名簿
  • VII 英文要約
    • 編集後記
    • 執筆者一覧

表紙写真 Security Council Meets on Role of Reconciliation in Maintaining International Peace and Security

  • Preface
  • I Special Article In Memorial: UN High Commissioner for Refugees Ogata Sadako and Professor Yokota Yozo: Their Contributions to Our Association were Great and VitalAkio Watanabe
  • II Articles on the Theme
    • 1 The United Nations and the Great Powers: Between “Patriotic Unilateralism" and “Global Governance" Tetsuya Yamada
    • 2 Nuclear Disarmament and the United NationsMitsuru Kurosawa
    • 3 A Critival Analysis of the US Vetoes in the Israeli-Palestinian Conflict: The Inherent Constraints on the Use of Veto Power in the United NationsNao Seoka
  • III Research Notes
    • 4 China's Policy on the Security Council about North Korean Nuclear Issues: An Analysis from the Perspective of “Legally Binding Resolution" and SecurityCho Eel-Joong
    • 5 The Significance of the Rabat Plan of Action and the United Nations Strategy and Plan of Action on Hate Speech in the UN's Efforts against Hate SpeechYurina Hagiwara
  • IV Policy Perspectives
    • 6 Promoting UHC in the Global Movement towards the “Health for All" with the Relevant Concepts of the Right to Health, PHC and SDGsYasushi Katsuma
  • V Book Reviews
    • 7 Jun Matsukuma, International Law for the Global CommunityToshiya Ueki
    • 8 Eiji Oyamada, Corruption and Development: New challenges in tackling corruption in developing countriesAsako Mashima
    • 9 Hiromi Fujishige, Yuji Uesugi, and Yoshiaki Furuzawa eds., Hybrid Statebuilding: Bridging Liberal Internationalism and Local OwnershipSukehiro Hasegawa
    • 10 Toshiyuki Niwa, No Regrets: My 36 Years at the United NationsShun-ichi Murata
  • VI Announcements
    • 1 Report of the 2019 Annual Meeting of the Academic Council on the United Nations System (ACUNS)Ayako Inoguchi
    • 2 Report of the 19th East Asia Seminar on the United Nations System in SeoulJun Kukita / Hiroshige Fujii
    • 3 Association's Charter and Officers
  • VII Summaries in English
    • Editorial Notes

Cover: Security Council Meets on Role of Reconciliation in Maintaining International Peace and Security

著者紹介

〈執筆者一覧〉掲載順

渡邉昭夫
平和・安全保障研究所副会長、東京大学名誉教授
専門は、国際政治学、日本外交論。
近著に、『安全保障政策と戦後日本 1972~1994――記憶と記録の中の日米安保』(千倉書房、2016年)、『21世紀を創る』(PHP研究所、2016年)、『日本をめぐる安全保障 これから10年のパワー・シフト――その戦略環境を探る』(亜紀書房、2014年)など。
山田哲也
南山大学総合政策学部教授
専門は、国際法、国際関係論、国際機構論。
近著に、『国際機構論入門』(東京大学出版会、2018年)、『国連が創る秩序: 領域管理と国際組織法』(東京大学出版会、2010年)など。
黒澤満
大阪大学・大阪女学院大学名誉教授
専門は、国際法、国際安全保障論、軍縮問題。
近著に、『軍縮は可能か』(信山社、2019年)、『国際共生と広義の安全保障』(東信堂、2017年)、『軍縮問題入門』(東信堂、2012年)など。
瀬岡直
近畿大学国際学部准教授
専門は、国際法、国際組織法。
近著に、「政府承認論の最近の展開――『シリア人民の正統な代表』としての『シリア国民連合』の意味合い」『実証の国際法学の継承』(信山社、2019年)、「保護する責任と体制転換のジレンマに関する一考察――リビア紛争におけるカダフィ政権の政府性をめぐって」『国際法外交雑誌』第117 巻第2号(2018年8月)など。
趙一中
九州大学大学院地球社会統合科学府の国際協調・安全構築コース博士後期課程
専攻は、国際協力、安全保障。
学会報告として、「安保理決議案第2270号採択課程――『法的拘束力』を中心に」第27回東アジア学会福岡大学大会(2017年5月)、「中国の北朝鮮安保理政策: 決議2321号採択過程の『法的拘束力』を中心に」日本国際政治学会2017年度研究大会国連研究分科会(2017年10月)など。
萩原優理奈
東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程
東京大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻修了(2016年)
専攻は、国際人権法。
論文に、「ヘイトスピーチ規制に関するアメリカとドイツの比較法的考察」『言語・地域文化研究』no. 26 (2020年1月)、「我が国におけるヘイトスピーチへの法的対応」『言語・地域文化研究』no. 25 (2019年1月)など。
勝間靖
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授
国立国際医療研究センター・グローバルヘルス政策研究センター(グローバルヘルス外交・ガバナンス研究科長)
前国連児童基金(UNICEF)職員
専門は、開発研究(人間開発)、国際人権論(子どもの権利)。
近著に、『持続可能な地球社会をめざして――わたしのSDGsへの取組み』(国際書院、2018年)、『テキスト国際開発論――貧困をなくすミレニアム開発目標へのアプローチ』(編著、ミネルヴァ書房、2012年)など。
植木俊哉
東北大学理事・副学長、大学院法学研究科教授
専門は、国際法・国際組織法。
近著に、「国際組織設立条約の解釈における『後に生じた慣行』の意義」『実証の国際法学の継承』(信山社、2019年)、「国際立法における国家と国際組織の『パラレリズム』の機能と限界―ILCによる条約法と国際責任法の立法化作業を素材に」『国際法のダイナミズム』(有斐閣、2019年)、「日ソ中立条約をめぐる国際法上の諸問題」『変転する国際社会と国際法の機能』(信山社、2018年)など。
真嶋麻子
日本大学国際関係学部助教
専門は、国際関係論。
近著に、「途上国開発における現地化の機能―体制移行期のアルゼンチンへのUNDPの対応から」『国際政治』(2017年1月)、「国際開発における国連の迷走?――UNDP研究に寄せて」『国連ジャーナル』秋号(2015年)、「貧困削減のためのグローバルなシステム――開発援助をとおしてみる世界」『図説経済の論点』(旬報社、2014年)など。
長谷川祐弘
日本国際平和構築協会理事長、日本国連協会学術交流担当理事
専門は、国際関係開発論。
近著に、『平和構築の志』(創成社、2020年)、「国際連合の変遷する役割に関しての考察」『国連ジャーナル』春号(2020年)、『国連平和構築――紛争のない世界を築くために何が必要か』(日本評論社、2018年)、「東ティモールの平和構築と指導者の役割」『人間の安全保障と平和構築』(日本評論社、2017年)など。
村田俊一
関西学院大学総合政策学部教授
前国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)事務局次長、国際機関人事センター長、国連大学―サステイナビリティー高等研究所―外部評価委員。
専門は、国際開発行政。
近著に、Mindanao' Post Conflict Peace Building in Transition 1990s(K. G. University Press, 2019)など。
猪口絢子
大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程、日本学術振興会特別研究員(DC1)
専攻は、国際関係論。
論文に、「人道的配慮と効果を両立した取引規制の在り方: アフリカ大湖地域の紛争鉱物規制を事例に」(大阪大学COデザインセンター、2017年9月)など。
久木田純
関西学院大学SGU招聘客員教授
前国連児童基金(UNICEF)カザフスタン事務所代表、国際機関人事センターチーフコーディネーター
専門は、国際協力論。
近著に、『東ティモールの現場から―子どもと平和構築』(木楽舎ソトコト新書、2012年)など。
藤井広重
宇都宮大学国際学部助教
専門は、国際法、国際人権論。
近著に、「国連平和維持活動(PKO)文民要員の任務に関する一考察――南スーダンにおける文民の保護サイトの展開と教訓」『宇都宮大学国際学部研究論集』第46号(2018年9月)、「国連と国際的な刑事裁判所: アフリカ連合による関与の意義、課題及び展望」『国連研究』(国際書院、2016年)など。

〈編集委員会〉

赤星聖
関西学院大学准教授
石塚勝美
共栄大学教授
上野友也
岐阜大学准教授
軽部恵子
桃山学院大学教授
本多美樹
法政大学教授(編集主任)
柳生一成
広島修道大学准教授
吉村祥子
関西学院大学教授

まえがき

学会誌『国連研究』第21号は「国連と大国政治」を特集テーマに据えた。国連創設75周年の節目にあたる本年に、国連と大国政治との関係、国連における大国の存在の意義と限界について改めて問う論考が揃った。

国連では、国連加盟国が主権平等の原則に基づいて国連の活動にさまざまな形で参加できる一方で、国連安全保障理事会の構成や表決の制度に見られるように、大国一致の原則によって国際の平和と安全を確保する仕組みも備えている。そのため、国連の活動を考える場合に、大国の外交が無視しえない要素であることはいうまでもない。昨今では、アメリカ、ロシア、中国などの自国第一主義の台頭により、国連の活動にも影響が及ぶようになってきた。一方、新興国の台頭によって、旧来の五大国が国際社会を代表する大国であるのかという疑問も生じてきているのも事実である。また、国連の活動は、五大国間の対立だけでなく、中小国との意見や立場の相違によっても左右される。このように、国連の活動は、主権平等の原則と大国一致の原則という両輪によって前進し、後退する。本号では、国連の活動における大国政治の意義と限界を検討した。

今号の巻頭には、本学会の特別顧問である渡邉昭夫先生から、昨年お亡くなりになった緒方貞子先生と横田洋三先生に向けてメッセージをお寄せいただいた。本学会にとってかけがえのない先生方と渡邉先生との貴重なエピソードが綴られている。

以下、特集論文から掲載順に各セクションの論文を紹介する。

山田論文は、国連と大国の関係を分析し、自国第一主義に対抗する国連の存在意義について論究している。国連の普遍的価値は、国連憲章に掲げられており、国際の平和および安全の維持だけでなく人権、経済的社会的協力も含むものである。山田論文によれば、安全保障は大国の一致を原則としているため実効性に乏しく、人権は国内問題とされて強制力をもたず、経済社会開発は先進国と途上国のあいだで対立が激しい。このような国連の普遍的価値の追求に揺らぎが生じる一方、ロシア、アメリカ、中国による自国第一主義の台頭が目立ってきた。国連の追求する多国間主義は、自国第一主義によって骨抜きにされるだけでなく、多主体間主義を前提とするグローバル・ガバナンス論からは後れを取っている。国連が目指す多国間主義を取り戻すためには、持続可能な開発目標といった契機が必要であると述べている。

黒澤論文は、これまでの核軍縮の取り組みを概括し、今後の核軍縮のあり方について問うている。国連による核軍縮に向けた取り組みは、初期には積極的なものであったが、それ以後の交渉は国連の外で行われ、国連の核軍縮における役割は後退した。それに代わる大国主導の核軍縮交渉によって諸条約が締結されることになったが、今日においてはコンセンサス方式の多国間交渉となり、交渉の開始自体の合意も困難になっている。黒澤論文は、そのような状況を打開するために国連主導の交渉に移行するべきであると主張する。2017年の核兵器禁止条約は、これまでの戦略的安定性を中心とする交渉から、人類の生存に向けた人道的アプローチがとられ、このようなアプローチが核軍縮において定着するかどうか見定める必要性を説いている。

瀬岡論文は、国連安全保障理事会における五大国の拒否権のあり方について、イスラエル-パレスチナ紛争に対するアメリカの拒否権発動を事例として検証した。この論文は、国連憲章の起草過程において「権利としての拒否権」と「責任としての拒否権」の二つの側面があったことを明らかにしている。昨今の拒否権発動の規制を求める議論にもこの二つの側面があり、とくに、大規模な人権侵害に対する拒否権の発動は「責任としての拒否権」という観点から抑制すべきであると論じられていることを明らかにした。さらにこの論文では、イスラエル-パレスチナ紛争をめぐるアメリカの拒否権発動に関して、それが「権利としての拒否権」と「責任としての拒否権」の両方の観点から正当化できないことを、国際司法裁判所の「壁」事件に対する勧告的意見を根拠にして実証した。

研究ノートには以下の2本を掲載した。

趙論文は、国連安全保障理事会の決議採択過程において中国がとる行動が、同国が抱く「グローバル安全保障」と「ローカル安全保障」という認識枠組みに沿って規定されることを示す。安保理における中国とアメリカとの関係もその2つのレベルに応じて展開され、前者に属する問題について中国はアメリカに協力せざるをえないが、後者に属する台湾問題などではアメリカと対立しても自国の利益を擁護する。同論文は、「グローバル安全保障」に属する北朝鮮の核実験やミサイル発射問題に対する安保理決議への中国の投票行動を分析し、アメリカとの関係性が決議に「法的拘束力」を付与するか否かの場面で顕在化することに着目した。その分析により「グローバル安全保障」と「ローカル安全保障」という枠組みに沿って、中国の安保理政策の実証が試みられている。

萩原論文「国連のヘイトスピーチへの取り組みにおけるラバト行動計画と国連戦略・行動計画の意義」は、近年各国で深刻化するヘイトスピーチ問題を検討する際に重要な論点となる、ヘイトスピーチ規制と表現の自由とのバランスに指針を与えた「ラバト行動計画(RPA)」と「国連戦略・行動計画(SPA)」を紹介、分析したものである。いずれも直接的に法的拘束力を持つ文書ではない。しかし、RPAとSPAは、既存の国際人権法を下敷きとしつつ、世界各地で行われた専門家ワークショップでの議論を通して作成され、ヘイトスピーチ規制の具体的な方策を提示したという点で意義深さを持つ。筆者の結論は、その成立過程や法的性格、内容に鑑みれば、各アクターが適切なヘイトスピーチ規制を行うにあたってはRPAとSPAを参照するべきであるというものである。

政策レビューは、勝間論文「『すべての人に健康を』の国際的潮流におけるUCHの推進:健康への権利、PHC、SDGsを背景として」である。健康への権利は、世界保健機関(WHO)憲章(1946年)の前文で「到達しうる最高基準の健康を享有すること」と記され、世界人権宣言(1948年)では、「生活水準についての権利」(第25条)に含められ、経済的・社会的・文化的権利に関する国際人権規約(1966年)では「健康を享受する権利」(第12条)へと発展した。1977年の第30回WHO総会では、2000年までに「すべての人に健康を(health for all: HFA)」というビジョンと目標が決議として採択された。HFAは実現しなかったが、2015年までに達成すべきミレニアム開発目標(MDGs)に、乳幼児の健康(目標4)、妊産婦の健康(目標5)、感染症対策(目標6)として含められた。 2015年の持続可能な開発目標(SDGs)の中で「すべての人に健康と福祉を」(目標3)が掲げられ、ターゲットの1つとしてHFAの実現に必要なユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成が入れられた。2019年12月以来、中国の武漢市に端を発した新型コロナウイルスCOVID-19 は世界中で猛威を振るっており、HFAは極めて緊急の課題といえよう。

続いて、書評セクションでは4本の書評を掲載した。書評の対象となった文献は、松隈潤『地球共同体の国際法』、小山田英治『開発と汚職:開発途上国の汚職・腐敗との闘いにおける新たな挑戦』、藤重博美・上杉勇司・古澤嘉朗『ハイブリッドな国家建設:自由主義と現地重視の狭間で』、丹羽敏之『生まれ変わっても国連:国連36年の真実』である。

松隈著『地球共同体の国際法』は、国際法の観点より、地球社会における諸々の課題を検討し、最終的には地球共同体に対する法のあり方を考察している。同書については、国際法の観点より国際機構を論じた研究業績を多数有する植木会員が、解説を行っている。

小山田著『開発と汚職』は、開発において国家が果たすべき役割を阻害する汚職・腐敗に焦点を当て、その原因や、汚職との戦いにつき、ケース・スタディーを交えて分析を行い、将来への提案を行っている。同書については、途上国開発や、国連における開発イシューに詳しい真嶋会員が紹介を行っている。

藤重・上杉・古澤編『ハイブリッドな国家建設』は、ともすれば自由民主主義国家の建設を志向していた、これまでの平和構築論を再考するとともに、国連などの外部のアクターと、現地社会や住民との価値観や理論を融合させた「ハイブリッド国家建設」の意義について、いくつかのケース・スタディーとともに考察を行っている。同書については、長年国際公務員として平和維持や平和構築の現場で活動し、研究活動にも携わっている長谷川会員が解説を行っている。

丹羽著『生まれ変わっても国連』は、広島で終戦をむかえた著者が、国際公務員を目指した経緯や、国際公務員として人道・開発援助を中心に国際機構で携わった活動について回顧するとともに、著者自身の人生における信念が描かれている。同書については、国際開発の分野を中心に国際機構の実務に携わり、現在、関連する研究や人材育成も行っている村田会員が紹介を行っている。

以上のように、今号も、研究、実務、現場の観点から、特集論文、研究ノート、政策レビュー、書評を掲載した。加えて、学会の活動として、国連システム学術評議会(ACUNS)研究大会と東アジア国連システム・セミナーも紹介した。

編集委員会

本多美樹、上野友也、石塚勝美、柳生一成、赤星聖、軽部恵子、吉村祥子

(執筆順)